男性型脱毛症の治療薬|フィナステリドとミノキシジル
男性型脱毛症も研究の成果により、最新の治療薬により格段の進歩をしています。ここでは、男性型脱毛症の最新の治療薬、フィナステリドとミノキシジルを中心にご紹介します。
双方ともに特徴があり、フィナステリドは「内服薬」でおもに使われるのに対してミノキシジルは「外用薬」としての異なった特徴があります。
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男性型脱毛症の治療薬「フィナステリド」とは?
フィナステリドは、前立腺肥大の薬の治療薬として開発されていましたが、臨床試験の中で男性型脱毛症の症状を持つ人に投与すると、育毛効果が表れることがわかり、そこから育毛剤としての研究がされました。
フィナステリドは男性型育毛症の治療薬としては珍しい内服薬として、1997年にアメリカで認可され、日本でも厚生労働省が2005年10月に認可されました。
その効果ですが、フィナステリドは、男性ホルモンのテストステロンが細胞に入ってきたところで、II型の5α-リダクターゼの作用を妨げます。
そして、ジヒトロテストステロンの分泌を抑制することで、脱毛を抑えることができる作用を持っています。
臨床試験の結果ではフィナステリド服用1年後で58%、2年後には68%、3年後には78%と改善率が服用期間を追うごとに上昇しています。
また、3年間継続で服用した患者の98%は男性型脱毛症の進行が見られなかったという結果も見逃せません。ただ、どんな良薬も副作用があります。
フィナステリドは、医師処方薬ですので、専門医の診断、指導のもとに服用(内服薬)する形になります。
フィナステリドは臨床実験から派生した副産物
フィナステリドはもともと「前立腺肥大」の薬として開発され臨床試験を行っていました。
臨床試験とは新薬が認定される前に患者さんの協力のもと治療に使われ安全性や治療過程から生まれる各種データーをもとに臨床試験を行うことです。
この臨床試験での治療過程の中でフィナステリドが人に投与すると育毛効果が現れることがわかったのです。
その後フィナステリドを使った育毛剤研究が始まったのでした。
前立腺肥大でのフィナステリドを使った治療薬は一錠につき、5ミリグラムの含有量で、日本の国内で医師が処方される育毛剤の商品名「プロペシア」の含有量は1ミリグラムまでです。
男性型脱毛症の外用薬「ミノキシジル」とは?
アメリカのFDAで一方外用薬として、脱毛に対する改善効果があると認められているされているのが、ミノキシジルです。
日本でもミノキシジル1%溶液は「リアップ」、5%溶液は「リアップX5 」という商品名で市販されています。
ミノキシジルも本来は、血管拡張作用があり、降圧剤として開発されていたものです。副作用に多毛がみられたことで、発毛・育毛の外用薬として研究されるようになりました。
作用は、血管拡張の効果よりも毛乳頭細胞に作用した結果アデノシンを分泌させ、細胞増殖因子の産生を促進することで効果が出ると報告されました。
ミノキシジル使用開始後1~2か月経過後にはまれに抜け毛が増えたような感じになることがありますが、これは毛包が休止期から成長期に入るため、古い頭髪が抜け、生え変わるための準備入るためですので、これも効果の1つというわけです。
「リアップ」が国内での導入が遅れたワケとは
1900年代以降に開発された育毛剤のミノキシジルは日本国内での導入が大幅に遅れていました。
現在ミノキシジルを含んだ育毛剤を販売しているのが大正製薬ですが、当初国内へアメリカから導入するにあたって大正製薬は「一般用医薬品(OTC)]として申請していたためなのです。
一般用医薬品は医師の処方箋がなくてもドラッグストアで手に入れられますが、通常医薬品は長年医師の処方箋のもと使われてきて実績を積んだ薬を処方箋と同じか、または少し少なくした成分量で商品化されていきます。
この過程を大正製薬は飛び越して医療用医薬品としてではなく一般用医薬品として当初からドラックで売ることを選んだのです。
そのため申請から導入まで約10年もかかり国内で販売され始めました(1999年6月3日発売:商品名「リアップ」)
アメリカでも当初は医師の処方箋が必要だったのですが、日本に導入されるまでの間に一般用医薬品になりミノキシジルの濃度も当初2%だったのが5%まで上がっていたのです。
国内で話題になったリアップですが、発売当初ミノキシジルは1%で申請していましたので物足らない方も多くいたでしょう。
それから臨床試験が行われ2009年2月についに国内でもミノキシジル5%を含んだ「リアップX5」が発売されたのです。
このリアップX5の適応者は男性のみで、女性には副作用での「多毛」を懸念されるため従来の「リアップ(ミノキシジル1%)」を使うことになっています。
その他の育毛・発毛剤にはどのようなものがあるのか?
男性型脱毛症の治療薬は、内服薬のフィナステリド、外用塗り薬のミノキシジルの2点が中心となっていますが、どちらも保険対象外です。
フィナステリドは自費診療、ミノキシジルは薬局での購入となります。
保険診療で処方される脱毛症の薬剤は、円形脱毛症、男性脱毛症などに適応がある塩化カルプロニウム液です。
その他、医薬品、医薬部外品などで男性型脱毛症用の育毛剤、発毛剤が数多く市販されています。
直接毛根に作用するt-フラバノン配合したもの、漢方生薬ベースのもの、ミノキシジルの作用により毛乳頭細胞から分泌するアデノシンの働きにより、毛乳頭細胞から発毛促進効果がをするものもあります。
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