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20から30代の育毛・発毛剤のエビデンス(科学的根拠)

公開日: : 最終更新日:2014/07/19 毛髪の最新情報 , , ,

科学的根拠のある育毛・発毛剤

男性型脱毛症(AGA)を発病する年代は20歳はじめから徐々に進行して行き目に見えて、考え始めるのもこの頃からです。
日本人は特に「他人の目」が気にかかる人種ですので、若い男女問わず20から30代の方たちには薄毛や脱毛を恐れ、将来の自身のために早くから育毛剤や発毛剤を使用する方も多いのが実情です。

現在、世の中には多くのヘアケア商品から始まって育毛剤や発毛剤も売りだされています。誰もが化粧品を買うように手軽に購入できてしまいます。

しかし、育毛剤や発毛剤においていまだ確たるエビデンス(Evidence=科学的根拠)が示されていない現在、情報に振り回されないしっかりとした知識を身に着けていなければ何が正しいのか分からないまま浪費と時間をムダに繰り返す事になります。

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男性型脱毛症について知るから始まる基礎講座

男性型脱毛症のメカニズムは現在解明されています、原因は「男性ホルモン」と「遺伝」が関与しています。

これにより思春期を過ぎたあたりからヘアサイクルが変化し始めて硬い毛髪が軟毛になって毛髪の成長期が短くなり休止期の毛の割合が増加して薄毛が目立ち始め脱毛へと症状が出始めます。

男性ホルモンとヘアサイクルの謎だった不思議を知る

薄毛や脱毛に悩む時「ナゼ!?頭の頭頂部や前頭部がハゲるのか?」私も初めは不思議に思いました。

男性型脱毛症を考える時に最も目立つのが頭の前や頭頂部だからですが、メカニズムが解明された現在「男性ホルモンと毛の部位別の関連性」がハッキリとして発表されています。

人間の体毛には「頭髪・髭・ワキ毛・陰毛」などがありこれらの毛の部位の中で「男性ホルモン」が作用するものは「頭髪での前頭部・頭頂部」と「髭(ヒゲ)やワキ毛」のみです。

前頭部、頭頂部、髭やワキ毛の毛乳頭細胞に男性ホルモンを受け取るレセプター(受容体)があり細胞の核内に入り込み標的遺伝子と結合します。

同じ髪の毛でも側頭部や後頭部の毛乳頭細胞はには、男性ホルモンレセプターはありません。

頭頂部の毛と髭(ヒゲ)とでは働きが違う「男性ホルモン」の謎

次に男性ホルモンがレセプターを通じて標的遺伝子と結合する「頭髪での頭頂部や前頭部の毛」と「髭(ヒゲ)」とでは働きが全く違うことが分子生物学による研究で発見されました。

結論としてこの2つの毛の部位別での男性ホルモンが果たす役割は大きな相違があります。それは

髭(ヒゲ)での男性ホルモンの役割

  • 髭(ヒゲ)
    思春期に男性ホルモンが増えてくると、髭の毛乳頭細胞からは、IGF-1 という成長因子が分泌され、このIGF-1が角化細胞を刺激し、髭の成長を促進します。

頭頂部の毛での男性ホルモンの役割

  • 頭頂部の毛
    前頭部や頭頂部では、男性ホルモンが増えると毛乳頭からTGF-β1が分泌され、角化細胞が増えるのを抑制したり、細胞の死滅を招きます。これにより、男性型脱毛症の発症につながるわけです。

関連サイト男性型脱毛症の謎と原因を知ろう

これを知れば男性型脱毛症の基礎知識は十分です。また「ナゼ!?薄毛や脱毛症では頭の側部や後頭部はハゲないの?」などの疑問も解決することでしょう。

「遺伝」による男性型脱毛症おいては、遺伝による個々の人の感受性の違いにより発症する時期や症状の範囲も異なることが推察されています。

相反するパラドックス的な男性ホルモンの働きですが、これが男性型脱毛症の解明メカニズムですので、押さえておいてください。

日本人は薄毛や脱毛を気にする「誰に対して?」

気になる薄毛と脱毛

薄毛や脱毛を気にする調査において日本人は特に「人の目」を気にしている傾向にあります。特に「異性として女性の目」が気になる方が多く次に「職場・学校の同僚」で同じくパートナーとしての「恋人や妻」などが揚げられます。

20代や30代の若者なら、このような人の目にさらされたくないと中高年以上に敏感な気持ちが沸き起こるのは自然な流れでしょう。

現に有名な話ですがプロ・サッカーリーグの名選手英国の「ウェイン・ルーニー」の話題が有名でタブロイド紙に「最も醜いサッカー選手」に悲しくも選ばれたルーニーが翌年ロンドンの有名クリニックで自毛植毛を施し当時のお金で1万ポンド(138万円)費やしたことが話題になりました。

日本でも数年前までは育毛サロンや発毛サロンでのトラブルも多く、特に20代から30代までの若者が国民生活センターへの相談件数が実に75%を占めていたことがありました。

ここでは「育毛剤と発毛剤のエビデンス」について語っていますので割愛させていただきますが、安易に育毛・発毛サロンでのサービスを受けるのなら病院の皮膚科あるいは脱毛症外来を選択肢に入れてください。

医師が勧める「男性型脱毛症診療ガイドライン」を知って育毛・発毛剤を選ぶべし。

日本国内の皮膚科学会と毛髪科学研究会の共同事業として、現段階での毛髪治療においてのガイドラインが提示されています。

推奨 推奨治療の評価 治療内容
強く勧められる ミノキシジルの外用(男性5%・女性1%)
フィナステリド内服(男性のみ)
勧められる 自毛植毛術
C1 考慮してもよいが
十分な根拠がない
AGAの塩化カルプロニウムの外用とに医薬部外品・化粧品の育毛剤の外用
(t-フラバノン・アデノシン・サイトプリン・ペンタデカン・ケトコナゾール)
C2 根拠がないので勧められない AGAの医薬部外品・化粧品の育毛剤の外用(セファランチン)
行わないよう勧められる 人工毛植毛術
女性のフィナステリド内服

ガイドラインから学ぶ育毛剤の種類とは

一言に言えば育毛・発毛剤は外用治療として「塗り薬や散布剤」などになりますね。内服薬もありますが20代から始める育毛・脱毛剤といえば、いわゆる薄くなった頭皮に直接塗るまたは散布するのが代表格でしょう。

そして育毛・発毛剤には「薬事法」による「医薬品と医薬部外品」があります。ガイドラインにも二種類の育毛・発毛剤があり、それが推奨[A]と[C]になりますので覚えておいてください。フィナステリド内服薬は「医師処方薬」です。

[A]の外用治療での発毛剤は薬事法では「医薬品」となり推奨度[A]のミノキシジルを使った発毛剤で代表的な商品名として「リアップ(OTC=一般用医薬品)」が挙げられます。

次に推奨度[C]においてはすべて「医薬部外品」となりますが、クラスは2つにわかれていることを確認しておいてください。多くの医薬品会社や化粧品会社の育毛・発毛剤はここに属するものです。

このガイドラインでは医師会が勧める推奨度により「強く勧められる」から「行わないよう勧められる」まで5段階で推奨治療の評価がなされており、若い人たちが初めて使う育毛や発毛剤においても非常に有効な指標としてガイドラインを表しております。

関連サイト髪さえ生えれば何でもいい!最新の毛髪治療

ガイドラインから評価した発売されている「育毛・発毛剤」のエビデンス(科学的根拠)

現段階での「男性型脱毛症診療ガイドライン」に沿って発売されている育毛・発毛剤の一覧で評価いたしました。
20代から始めるAGA治療に間違った情報で振り回されずに「科学的根拠(エビデンス)」を元にしたヘアケアや治療に役立てていただければ幸いでございます。

商品名/発売元 推奨 薬事法分類 主な有効成分
サクセス薬用育毛剤 バイタルチャージ
[花王]
C1 医薬部外品 t-フラバノン
ナイアシンアミド
生薬センブリエキス
β-グリチルレチン酸
薬用毛髪力 イノベート
[ライオン]
C1 医薬部外品 6-ベンジルアミノプリン
ペンタデカン酸グリセリド
モウガ・ミナギ薬用育毛剤
[バスクリン]
C2 医薬部外品 ショウキョウチンキ
センブリ抽出液
ニンジン抽出液
ホコウエイ根エキス
薬用 アデノゲン
[資生堂]
C1 医薬部外品 アデノシン
NF カロヤンガッシュ
[第一三共ヘルスケア]
C1 一般用医薬品 カルプロニウム塩化物(2%)
フロンジ液
[第一三共]
C1 医療用医薬品 カルプロニウム塩化物(5%)
リアップ・リアップX5
[大正製薬]
一般用医薬品 ミノキシジル(1%・5%)
リアップリジェンヌ(女性用)
[大正製薬]
一般用医薬品 ミノキシジル(1%)

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