薄毛の自己診断の仕方|気になり始めたらまず確かめよう!
一概に薄毛、脱毛症といってもいろいろありますが、脱毛症は元来皮膚科で診る病気として扱われていました。しかし薄毛の原因での男性型脱毛症での「抜け毛」においては、少し前までは市販の「育毛剤や発毛剤」を試してみる方が圧倒的に多かったのです。
医学的に言えば男性型脱毛症は「病気」だとは言えませんが、この慣例を一変させたのが2005年12月に登場した「フィナステリド:商品名プロペシア」だったのです。
この医薬品が登場して後、皮膚科の医師も男性型脱毛症に悩む患者さんに接する機会が多くなりました。なぜならこのフィナステリド(プロペシア)を使うにあたって医師の処方箋が必要となったためなのです。
それまでの男性型脱毛症の扱いは「毛髪の生理的変化」として遺伝や人種的な差異により起こる各個人ごとの「個性」として認識されていたために医学会も積極的に治療をしてこなかったのが原因です。
男性型脱毛症(AGA)には判断基準が設定されています。男性型脱毛症のいくつかある診断基準や、分類についてみていきます。
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男性型脱毛症の診断基準となる定義は?
男性型脱毛症は、頭頂部と前頭部に限られて髪の毛が抜けるのが症状の特徴です。
男性型脱毛症の診断は、額の生え際から頭頂船までの距離で行います。
男性型脱毛症発症の男性ホルモンと遺伝の関係を発見したJ.B.ハミルトンは、男性型脱毛症の定義を「額の生え際かのセンタインが頭頂線前方の3cm超えての後退を示す」としました。
後に、植毛外科医のノーウッドが「2cm後退」に改めました。額の生え際から頭頂線まで2cmが、男性型脱毛症の臨界線と定められたわけです。
欧米では、現在でもこの「ノーウッド・ハミルトン分類」に修正を加えたもので診断を行っていますが、日本人の男性型脱毛症はノーウッド、ハミルトンの分類とパターンや発症率などが欧米と少し異なることがわかったため、日本人の脱毛パターンに合わせた修正版が作られています。
しかし、個人差もあるため、気になったら、脱毛症外来を設けている病院で専門医の診断を仰いだ方がより確実です。
最新の男性型脱毛症の分類診断方法
ハミルトンの男性型脱毛症の分類は、欧米でよく用いられています。大きく7つの分類ですが、II型、III型、IV型、V型には枝番があるため、実質12のタイプに分類されています。
基本的には、前頭部の額の後退の度合いにより分類されています。、III型では、前頭部+頭頂部のVertex、V型では頭頂部と前頭部の脱毛がつながってしまったV-aがあります。どのタイプも多少前頭部の後退が見られるのが特徴でこれをハミルトン・ノーウッド分類といいます。
※Vertexとは頭頂部の意味。
日本は高島分類により男性型脱毛症を分類
日本の皮膚科医が男性型脱毛症の診断に使用しているのが、高島分類です。皮膚科医の高嶋巌先生による高島分類は、日本人の脱毛パターンに合わせ、ハミルトン・ノーウッド分類を修正したものです。
この高島分類は、ハミルトン・ノーウッド分類に日本人特有の脱毛パターンを加えたものでその内容は「額の生え際が臨界点に達してないのに、頭頂部が薄くなっている」脱毛パターンを追加されています。
現在、日本の医学会での皮膚科において男性型脱毛症(AGA)の診断基準にはこの「高島分類」を多くの医師が利用しています。
人種別にみる男性型脱毛症を検証
男性型脱毛症(AGA)を人種別で検証してみると、欧米の人種では前頭部が薄くなり男性型脱毛症が進んでいくのが多いのに対して、日本人は頭頂部が薄くなるのが多い症例が目立ちます。
また欧米人の男性型脱毛症の発症率は日本人を含むアジア人と比べて異なります。欧米人の発症率はおよそ50%の男性が発症します、なかでもアングロ・サクソン系の人種は代表的に確立が高くなっています。
さらに、アジアの中でも日本人の男性型脱毛症の発症率はおよそ30%ですが中国人や韓国人の発症率は20%ほどです。
全体的に見ますと男性型脱毛症を発症しない方が多いのが欧米人との違いですが、日本人もライフスタイルによる欧米化でアジアの中でも比較的高い発症率だといえるかもしれません。
男性型脱毛症の進行過程について
人種別の男性型脱毛症を検証してきましたが、この男性型脱毛症の原因をすべて突き止めるまで人種別の発症のメカニズムは今現在の医学会でも謎のままです。
近い将来謎に解明されていくことでしょうがただ、進行過程による発病を人種によって異なる特徴のほかに大切なことがあります。
それは「個人差」もあるということです。
自己診断においてハミルトン・ノーウッドや高島分類で「額の後退」や「頭頂部の薄毛」を判定する際には必ずしもこれらのパターンに当てはまらないケースも有るのです。
したがって気になり始めたら男性型脱毛症を診察する脱毛症外来を設けている医療機関に出向き専門医に判断を仰ぐことが大切だと言えます。
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