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期待できる最新植毛とは|髪の植毛術と費用は?

公開日: : 毛髪の最新情報 , , ,

医師に聞く植毛

薬剤による治療以外での薄毛の改善法の1つが植毛術です。植毛術を考案したのは、日本の奥田庄二医師です。

奥田医師は、1939年に脱毛していない側頭部や後頭部の皮膚を円柱状に切除して脱毛箇所に移植する手術法、パンチクラフト法を確立し、火傷で頭髪を失った患者に植毛術を行い、論文として発表しました。

植毛で使う毛も、現在では「人工毛植毛」はアメリカでは術後に頭皮に炎症が起きたり問題があったため、既に禁止になり、1990年代からは日本国内でも「自毛植毛」手術の技術が進み、一般的になってきました。

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自毛移植による男性型脱毛症(AGA)の歩み

男性型脱毛症の治療には国内で2005年に認可されたフィナステリド(薬剤名:プロペシア)に先立って自分の自毛を使って薄毛の部位に移植する植毛術も進歩していました。

世間ではプロペシアなどの注目が脚光を浴び、脱毛治療の現場において治療の可能性が格段に広がり薄毛に悩む患者さんの選択肢も増え喜ばしいのですが、ご存知のとおりこれらの薬剤による治療では患者さん個人による効果の期待はまちまちです。

当初の思ったような効果が得られなかったことにより患者さんの「期待値」を満足させることはすべての人において、いまだ到達しておりません。すべての人にフィナステリドが効くわけではないのです。

時間がかかる飲む薬(プロペシア)や塗る薬(ミノキシジル)での治療には「時間」がかかります。

  • 「薬の効果が表れるまで待てないので、すぐにでも毛を増やしたい」
  • 「はじめて見ると思ったほど薬の効果が表れなかった」
  • 「薬以外での他の治療で薄毛をカバーしたい」

などの要望も今現在多くあります。
そのような男性型脱毛症の治療において一つの選択肢としてご自分の自毛を利用した「植毛」も広まってきたのです。

現在の主流、自毛植毛術には主に3つの方法

一昔前までは「植毛」といえば「人工毛植毛」いわゆる人工の毛を頭に埋め込むのが植毛のことでしたが、80年代までで衰退して、アメリカでは現在この「人工毛移植」は禁止されています。

では「自毛植毛」での手術とはどのようなものがあるのでしょうか?

1990年代より自毛植毛が中心になったことにより自毛植毛は、脱毛していない側頭部や後頭部の皮膚を利用する移植法です。
この移植法は、皮弁法(フラップ法)縮小術(スカルプリダクション)遊離移植法の3つの方法に大きく分けることができます。

代表的な自毛植毛法の優劣とは

1.皮弁法(フラップ法)

皮弁法は、1970年代に開発され、1990年代半ばまで改良を重ねながら施術されていましたが、今はほとんど施されていません。
側頭部と後頭部の皮膚を4cm×25cm程度の長方形に切り、動静脈ごと移植して血流を保つため一部つなげたままにして細長い頭皮をよじるようにして脱毛箇所に移動して移植します。
ただし、壊死のリスクも高く、次第に治療として採用されなくなりました。

2.縮小法(スカルプリダクション)

縮小術は、脱毛部分の皮膚を切り取り、その周辺の皮膚を引っ張って縫い合わせて脱毛部分の面積を減少させます。
手術は何度か繰り返し行われますが、縫合箇所の傷跡が目立ってしまう点や、対応できる面積が限られているなどの問題があり、こちらも施術されることが減っていきました。

3.遊離移植法

遊離移植法は、後頭部や側頭部の毛髪が残っている皮膚を、脱毛が目立つ場所に移植する方法の総称です。
例えば、パンチクラフト法やマイクログラフト法、毛包単位移植術などがこの方法に含まれます。

皮膚を移植するというより、一つ一つの毛包単位を移植することで薄毛の影響を受けていない後頭部や側頭部の毛包を抜け毛が目立つ箇所に移植します。これを総称して「遊離移植法」と呼んでいます。

国内ではこの「遊離移植法」が主流になっておりますが、初期の頃はこの移植により術後の仕上がりは不自然なものでした。
しかし最近では後頭部や側頭部の毛包を採取するときに開けるグラフト(移植片)は格段に小さくなり仕上がりも良くなってきています。

最新の「遊離植毛手術」の全貌と期待値は!

期待できる髪の悩みの解消

現在日本で広く用いられている自毛植毛での遊離植毛手術は「毛包単位移植術」です。

毛包単位移植術とは

人の髪の毛は通常「1から3個の毛包」が一群となっており、これを一つのユニットと考えて後頭部などから切り取った頭皮組織を顕微鏡で見ながら毛包ひとつ一つの単位で切り分けて脱毛した頭皮に移植する手術法を「毛包単位移植術」という。
脱毛した頭皮には、あらかじめ移植する穴を開けて埋め込む移植術なのです

例えて言うならば「田植え」とよく似たイメージです。
苗床で育てた稲を(毛包)を田んぼに一本いっぽん植えこんでいくイメージで考えてください。

男性型脱毛症の症状にもよりますが、前頭部(生え際)には毛包一本を1ユニットとして移植し、頭頂部には毛包3本を1ユニットとして植えこんで移植いたします。

医師に聞いた「移植した毛の定着率は?」

毛包を脱毛部に移植したあとの定着率は、移植を行う手術により毛包の損傷が少なければ「90%以上が定着する」という。

新しい頭皮組織に馴染むまで「半年」ほどかかるが定着した毛包のことを医学用語では「生着」というらしい。

生着した毛包の大半はすぐに髪のヘアサイクルの周期の中での「休止期」に入り、一度抜け落ちますが、また生えてくるのです。
詳しく聞くと、抜け落ちないで残る髪が「約10%」でその他は一度抜け落ちて「4~5ヶ月」ほどで生えてきます。

したがって植毛の効果がハッキリわかるまで半年以上は考えてもらわなければなりません。

脱毛した頭皮に移植しても、また「脱毛」するのでは!?

疑問を感じ医師から聞くと「結論から言えば、移植した毛包(髪)は生涯残ります。」とのこと!

ナゼかといえば、男性ホルモンの影響を受けない因子を持つ後頭部や側頭部の毛包は、男性ホルモンによる「ジヒドロテストステロン(DHT)」の影響は受けません。

もともとあった頭頂部の毛髪には男性ホルモンによって毛乳頭からTGF-β1が分泌され、角化細胞が増えるのを抑制したり、細胞の死滅を招きますが、後頭部や側頭部の毛髪にはこの因子がないので硬いままの毛を保ち続けるのです。

参考男性型脱毛症の謎と原因を知ろう

このことは「ドナー・ドミナントの法則」という。過去において移植後30年を過ぎても移植された毛髪が残ることが報告されているのです。

ただし「後頭部や側頭部の頭皮組織の毛包以外」の移植では移植後も同じように脱毛しますので、遊離植毛での毛包単位移植術は繰り返し行うことになります。
したがって髪の毛(後頭部・側頭部)が残っているうちにこの移植術を考えてください。

遊離植毛法のメリットとリスクとは

遊離植毛法による毛包単位移植術の「メリット」とは

  • 薬剤での治療が不可能または効果が無い方には効果的。
  • 毛包単位植毛術では「自然な生え際や髪型」を再現できる。
  • 脱毛のスピードが人より早い場合、植毛とフィナステリドの服用との併用で効果も期待できる。
  • 脱毛がかなり進行した状態での植毛手術は、効果的な治療でかなり改善できます。
  • 性別は関係なく、治療を享受できる。

遊離植毛法による毛包単位移植術の「リスク」とは

  • 後頭部や側頭部からの移植毛以外の毛包を使うと移植先の頭頂部や前頭部の毛髪は次第に細くなり抜け落ちますので、再手術が必要。
  • 青年期(20代など)の植毛の場合、植毛した頭皮の周辺がその後進行することを考えれば、かえって「不自然」な容姿になって目立ちます。
  • 術後に毛穴に毛嚢炎(もうのうえん)や表皮嚢腫(ひょうひのうしゅ)などの感染症が多少あり。

最新の植毛手術の費用等は?

医療とお金

最新の毛包単位移植術の場合、毛包のグループを1単位と考え、後頭部から切り取った頭皮組織を顕微鏡で見ながら毛包単位に切り分け、あらかじめ穴をあけた場所に埋め込みます。
移植時に毛包の損傷が少ない場合は90%以上が新しい移植先に定着=生着します。

このことを念頭に置いて考えると費用としては、移植対象の本数にもよりますが「100~150万円位」かかります。

保険適用外のフィナステリド(プロペシア)の内服薬投与と比べた場合、診察料等と合わせて1か月約1万円で年間10万から12万円ほどで、これが40代から60代まで長期服用で20年位続けたとした場合には、150万超となります。
その場合は植毛手術とかかる費用は変わらないという結論になります。

また高額なカツラや育毛・発毛サービスなどで同額かそれ以上のコストをかけて「エステ」に通うことを考え合わせると、何よりも、生涯にわたって薄毛や脱毛症に悩まされることなく過ごせるのなら、価格的には同等かそれ以下なのかもしれません。

まとめ

いずれにせよどちらが良いのか「髪の悩み」を最短で解決する方法はあなたご自身でお決めください。

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