よく育毛、発毛というけどその違いは?
育毛剤と発毛剤、育毛サロン、発毛サロンなどといいますが、育毛と発毛とは違うのでしょうか?
また、育毛サロン、発毛サロンとはどのようなところなのでしょうか。その違いはあるのか、ちょっと考えてみましょう。
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育毛剤と発毛剤の違い
ドラッグストアやCMなどを見ていると、育毛剤、発毛剤という言葉をよく聞きます。この違いですが、実はありそうですが、定義がかなりあいまいです。
法律的にいうと、医薬部外品と医薬品の区別があります。これを定める薬事法によると、育毛・発毛効果がある医薬品は「壮年性脱毛や円形脱毛における発毛、育毛及び脱毛の進行予防など」とされています。
一方医薬部外品の効能は、「脱毛予防、発毛・育毛の促進など」とあり、こちらも違いがわかりづらい感じがします。
いずれにせよ、脱毛・薄毛に効果を認められる薬としてみた場合に、育毛剤、発毛剤というの区分の違いは、現状でははっきりとしたものがありません。
薬事法による「医薬品」と「医薬部外品」の違い
薬事法とは、「医薬品」「医薬部外品」「化粧品」「医療機器」の規制や運用に関する法律のこと。
- 日本薬局方に収められているもの
- 人または動物の疾病の診断、治療または予防に使用されることが目的とされている物であって機械器具でないもの(医薬部外品は除く)
- 人または動物の身体の構造または機能に影響を及ぼすことが目的とされている物であって機械器具でないもの(医薬部外品及び化粧品を除く)
引用:薬事法第一章 第二条より抜粋
「医薬部外品」とは、次に掲げる物であつて人体に対する作用が緩和なものをいう。
次のイからハまでに掲げる目的のために使用される物(これらの使用目的のほかに、併せて前項第二号又は第三号に規定する目的のために使用される物を除く。)であつて機械器具等でないもので及びこれらに準ずる物で厚生労働大臣の指定するものをいう。
- 吐きけその他の?快感又は口臭?しくは体臭の防止
- あせも、ただれ等の防止
- 脱毛の防止、育毛又は除毛
引用:薬事法第一章 第二条より抜粋
医師から見た医薬品と医薬部外品の違い
育毛剤と発毛剤の違いで見ると効果がどのように違うのでしょうか。
前項で説明したように医薬品では「壮年性脱毛や円形脱毛における発毛、育毛及び脱毛の進行予防など」とされていて、医薬部外品では「脱毛予防、発毛・育毛の促進など」とあり言葉では区分されていますが厳密には何処がどのように異なるのか理解しがたく思います。
医療の科学で見ると両者の区別は科学的ではありません、双方とも効用として「血行促進・栄養補給・抗炎症作用」などが挙げられますが、実際に「毛根や毛包」に与える直接的な作用において科学的根拠(エビデンス)に乏しく思います。
今現在世の中には多くの「育毛剤」や「発毛剤」がありこれらは医薬品から医薬部外品まで様々です。
多くの薄毛に悩まされている方が試してみて「よく効いた」とか「効果がない」など発信していますが、現時点では個人差が激しくこれから「薬」を選ぶのであればその前に脱毛症外来を設けている病院で医師に相談してみるのが薄毛の悩みを解消する近道ではないでしょうか。
育毛サロン、発毛サロンとは?
広告などで見かけるのが、育毛サロン、発毛サロン、増毛サロンです。
こちらも育毛剤、発毛剤の違いがはっきりしないようにこのサロンの違いもまたわかりにくいものの1つです。病院は、医学に基づいた診療により、診断、治療を進めていきますが、サロンでは運営している業者による独自の育毛剤を使用したり、マッサージを施術したりします。
以前は男性型脱毛症の仕組みがわからず、診療を受けられる病院も少なかったところもあり、サロンに頼る人が多かったのです。
しかし、サロンでの施術が合わず、脱毛が改善せず、頭皮に皮膚炎のような症状が出てしまうなど傷めてしまったり、不当に高いマッサージ器や薬剤の購入を勧められるなど、トラブルもありました。
国民生活センターや消費者センターへの相談も年々減少傾向にありますが、サロンを利用する場合は業界団体への加入している信頼できる業者であるかなど、きちんと確認する必要があります。
国民生活センターがまとめた「育毛・発毛サービスの問題点」
国民生活センターでの育毛・発毛サービスの問題点は以下の様なものです。
- 医学的根拠が乏しく定かでないのに「男性型脱毛症」などと決めつけて診断する。
- 「髪の毛が必ず生えてくる」や「もとのように髪の毛が生える」などと確証のない文句で勧誘される。
- サービスを受けると同時に高額なヘアケア商品を各種勧められ契約額が高額になるケースが多い。
- これらのサービスは比較的長期にわたってのサービス期間になるので、契約の途中解約を試みても商品などが納品済みであることを理由に返金・返品を認められない事があり、解約金を請求されることもある。
いずれも国民生活センターで実際に相談を受けた事例ですが、派手な広告に影響されずに髪に高額な投資をする前に医療機関での皮膚科や脱毛症外来に出向き専門医に相談されたほうが懸命でしょう。
育毛、発毛の相談は病院で受診も可能
2006年に始まったお笑い芸人コンビ「爆笑問題のテレビCM」での男性型脱毛症(AGA)治療薬「プロペシア」のインパクトにより一躍脚光を浴びたため病院での皮膚科へ外来患者が急増したことはご存知でしょう。
科学的、医学的研究が進み、脱毛、薄毛の仕組みも解明されてきたことにより、治療法も確立されてきました。
それに伴い、市販薬やサロンの利用が主だった男性型脱毛症の改善も、病院での診療という選択として入ってきました。
脱毛外来のある病院が身近にない場合も皮膚科で診療、治療を受けることができます。
例えば、薄毛や脱毛が気になりはめたり、育毛剤の市販薬で迷った場合はもちろん、不安があれば皮膚科や専門外来で相談することで、適切な診断に従った診療を受けることができます。
科学的な診察により治療の方法や疑問点も専門医なら適切に説明してくれますし、納得してからで良いので「プロペシア」を使うか?使わないのかご自身で決めることも出来ます。
もし、脱毛や薄毛が気になり始めたら、まずは身近な皮膚科や専門外来がある病院へご相談することをおすすめします。
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