フケも脱毛症の原因になる

公開日： 2014/07/08 : 最終更新日：2014/07/10 毛髪の最新情報フケ, 洗髪, 皮膚疾患, 脱毛

フケと脱毛

毎日、きちんと髪の毛を洗って洗髪しているのに「フケのような皮脂がボロボロ落ちてくる」または、髪の毛の頭皮が「脂ぎってかゆみがある」など・・・。

人によっては、季節の変わり目に頭皮が乾燥して毎年「フケのようなものが落ちてくる」などあります。
人には相談できないものの周りから見られている体の異変に困っている方も多いのですが、実はこれらの人は軽い皮膚疾患にかかっているケースがみられます。

フケに悩む人は「毎日キレイに洗髪」する方も多いのですが、洗っても清潔にしても改善が見いだせない方はいませんか？。

フケ症は昔から人々を悩ましている頭皮のトラブルですが、実はこのフケ症も一歩間違えれば脱毛症へとつながってしまう場合もあるのです。

フケは皮膚疾患の軽い症状｜洗っても改善されないフケ症

そもそもフケとはどういうものなのでしょうか。普通世間でフケ、フケ症と呼ばれているものは、軽症の脂漏（しろう）性皮膚炎であるとされています。

脂漏性皮膚炎とは、脂が漏れるという字が表すように、皮脂腺が発達している顔、頭部、腋下、胸、背中の上の方などの皮膚が炎症を起こす症状をもつ皮膚疾患です。

脂漏性皮膚炎発症の原因

皮脂腺から常に分泌されている皮脂は、薄い膜のような形で皮膚を守る役割をしています。しかし、皮脂の分泌が多すぎたり、皮膚上のカビの一種である「真菌」が皮脂を分解することにより、この疾患がおこるといわれています。

脂漏性皮膚炎の症状は、顔や身体は赤く湿疹がでてかさつきがでます。ただ、頭部の場合は少し違っていて、髪が細くなったり、皮膚が荒れてかさつき灰白色のウロコのようなフケができたりして、脱毛も発生する場合もあります。

また、高温多湿の夏場には顔や頭皮に炎症や湿疹（しっしん）が起こりやすく、特に皮脂腺が多い「頭部や顔、脇の下、股間、胸と背中の上部」では分泌量が多く、そのためニキビ（吹き出物）に悩まされたり、多い分泌量の皮脂が酸化され臭いを発する加齢臭などの体臭の異臭につながったり致します。

多すぎる皮脂の分泌量に対して人の皮膚に棲む「真菌（カビの一種）」が皮脂を分解して脂漏性皮膚炎は発症することが原因だと言われています。

脂漏性皮膚炎の対処方法

脂漏性皮膚炎は、他の皮膚疾患である刺激性皮膚炎やアレルギー性皮膚炎などと混同されやすく、ほとんどの人が安易に市販の軟膏や保湿クリームで対処したり、低刺激の石けんやシャンプーなど使い皮膚や頭皮を清潔にし「かゆみ」や「フケ」を防ぐ人が多いのですが、体の部分に赤くカサつきが出たり頭髪からフケが出る場合は脂漏性皮膚炎を疑ってみてください。

皮膚疾患での真菌が原因である脂漏性皮膚炎は他の皮膚炎とは異なり白癬（はくせん）やカンジタ症につながる疾患なので、安易に考えて治療していると慢性化して自己判断で治療をやめると再発もしたりしてなかなか完治しません。

したがって皮膚科へ出向いて専門医の判断で適切な治療を始めるのが大切です。

脂漏性皮膚炎においての治療には一般的に外用薬（塗り薬）と内服薬が医療機関で用いられており、内容は「抗真菌薬」です。
また頭皮においては市販の低刺激のシャンプーや石けんよりもこの場合「抗真菌剤」が入ったシャンプーが効果的ですので医師や薬剤師に相談してみてください。

フケ症から脱毛症への関係

フケ症から脱毛へ

脂漏性皮膚炎にかかると症状では顔や体の一部に「湿疹ができて赤くなる」症状がでてカサつくことがあります。さらにこの病状が頭皮に出ますと「髪が細くなり」始め、灰白色でウロコのようなフケが出始めます。

皮脂が真菌により分解され頭皮の皮膚がウロコのように剥がれてフケになり落ちてくるのです。
この場合毛穴を塞ぎ毛根にも真菌の影響でやせ細り成長期の毛髪が脱毛へと進行することがあります。

これを「粃糠（ひこう）性脱毛」といい、脂漏性皮膚炎が頭皮で発病した時に症状が進みますと脱毛が起き始めます。

フケが原因の脱毛症に効果がある方法は？

脂漏性皮膚炎による脱毛は、粃糠(ひこう）性脱毛ともよばれますが、その治療法としては、以前は即効性のあるステロイドの塗り薬の使用が一般的でした。

しかし、このステロイドによる治療では、長期間使用による皮膚が薄くなったり、血管が拡張してしまうなどの副作用のだけではなく、一度使用を止めると再発する場合もあるため、最近では長期間での使用はなくなっています。

現在は、白癬やカンジタ症など真菌を原因とする皮膚感染症の治療用の塗り薬として使用されていた抗真菌薬の「ケトコナゾール外用薬（商品名：ニゾラール・ローション）」が、脂漏性皮膚炎による脱毛への治療効果が高いことがわかってきています。

ケトコナゾールはもともと白癬菌（水虫など）やカンジタ病に効果のある、真菌が原因で起こる皮膚の感染症においての外用薬でしたが、近年では粃糠性脱毛症にも高い効き目があることが明らかとなりステロイドを使った治療より安全で効果も持続できます。

日本では、病院で、このケトコナゾールを含むローションとクリームの処方を受けることができます。アメリカでは、すでに粃糠性脱毛対策用として、ケトコナゾールが含まれるシャンプーも販売されているとのことです。

まとめ

個人で行う脂漏性皮膚炎の対処法として今では「個人輸入」で薬剤を手に入れることができます。
日本では抗真菌薬のケコトナゾールを使ったクリームやシャンプーなどは医師の処方が必要ですが、アメリカでは薬局で市販されています。

ニゾラルシャンプー2%

フケ、かゆみを緩和し真菌を抑えるシャンプーで男女兼用です。
有効成分であるケトコナゾールは殺菌作用が有り、フケや脂漏性皮膚炎対策に効果的なほか、AGA（男性型脱毛症）の原因とされる男性ホルモンを抑制する働きもあり、抜け毛予防に効果的です。
成分であるケトコナゾールは、水虫やカンジダ症の治療に用いる抗真菌用の殺菌薬にもなっています。

詳細サイト：ニゾラールシャンプー2%

ケトコナゾール2%クリーム

イダゾール系抗真菌剤で、主に白癬（水虫）、皮膚カンジダ症の皮膚真菌症の治療に使用されます。
体内への浸透が早く、効果が早く現れるのが特徴です。
また、他の抗真菌性のクリームと比較して。刺激痛などの副作用が少ないといわれています。白癬、皮膚カンジダ症の緩和、治療として1日1回、患部に適量を塗ります。

詳細サイト：ケトコナゾール2%クリーム

ケトコナゾールジェネリック

ニゾラールのジェネリック薬品となります。
抗真菌性の医薬品で、主に、真菌（カビ）の細胞膜合成を阻害する効果が高く、増殖を抑えます。
カンジダ等の性感染症、白癬（水虫）の治療薬として使用されます。先発（オリジナル）のニゾラールと同様、ケトコナゾールを主成分としていますので、同等の効果が期待できます。

詳細サイト：ケトコナゾールジェネリック