年齢とともに薄くなる女性の薄毛で最も多い脱毛症
最近の皮膚科での脱毛症外来において女性の患者さんが増えてきました。
年齢とともに「薄くなった髪の毛に悩む」方や「頭頂部がハゲる女性」の方など円形脱毛症の他に意外と多いこれらの症状に悩まされる女性が多いのです。
男女の高年齢化の時代において、50代や60代で薄毛になる女性が増えるのは、女性の立場で言えば「許せない!」外見の容姿です。
一昔ならいざ知らず今ではこの年令での薄毛は、美容でのお肌のケアとともに同じくらいの重要なテーマなのですから。
一説には「女性の男性ホルモンの増加」が挙げられますが、このことにおいていまだ科学的な検証はできておりませんし、個人的にも疑問符がつく説であり、それよりも女性の薄毛に対する悩みは昔からたくさんあったことではないでしょうか。
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女性も薄毛による脱毛症に悩んでいる|羞恥心(しゅうちしん)よりも一大事!
したがって、脱毛と言うと男性の悩みと思われがちですが、脱毛症に悩む女性も数多くいて、ここ数年は、皮膚科の脱毛症外来にも女性の患者が増加傾向にあるのだけど、これは、女性の脱毛症が最近急に増えたというよりも、もとから脱毛症の女性は多くいて、最近になり病院へ診察に来る女性患者が増えたと考えるのが正しいのではないかと考えます。
女性も昔から薄毛や脱毛で悩んでいたはずです。例えば、日本の女性は着物を着て、長い髪を結ってまとめていた時代には髪を引っ張るようにまとめていたため「牽引性脱毛(ポニーテール脱毛)」により、部分的に頭髪が薄くなったり、ぬけてしまうという悩みがありました。
これは、今でも後ろに髪をまとめて結っている人は同様の悩みを抱えています。
それ以外にも、さまざまな原因で薄毛や抜け毛に悩む女性はいたと思いますが、男性型脱毛症で薄毛、脱毛に悩む男性と異なり、若い頃から脱毛が際立って進むわけではないので、薄毛をカバーするようなヘアスタイルにしたり、ヘアピースやウィッグなどのカツラを使って気になる部分を隠すなどの対策をとってきたのではないかと思われます。
男性の脱毛症において病院やクリニックでの受診は意外と「羞恥心」や「諦め」を感じておられる方が多くいますが、
ので、病院やクリニックでの受診が増えているのではないでしょうか。女性がかかる脱毛症の種類
では、女性に発生しやすい脱毛症というのはどのようなものがあるのでしょうか。女性の場合も男性同様に様々な脱毛、薄毛の原因があります。
例えば、円形脱毛症や抗がん剤やその他薬剤投与による副作用によるもの、病気、疾患による脱毛症は男女の性別は関係ありません。
円形脱毛症自体の発症の比率は、男女比で見ても変わりませんが、病院に診察に訪れる患者の割合は女性の方が多くみられます。
その他、女性の脱毛、薄毛は、女性固有の症状や疾患などによる原因もあります。女性の薄毛、脱毛症の中で「男性型脱毛症が最も多く」薄毛、脱毛で悩む女性の約半数が男性型脱毛症に該当すると言われています。
女性の場合も、男性と同じく、加齢によって頭髪が抜け、薄くなったり、ホルモンの影響で髪が抜けて、薄毛、脱毛の症状が発生してしまうのです。ただし、同じ男性型脱毛症と言っても男性と薄毛、脱毛のパターンや治療法は異なっています。
女性特有の脱毛症の種類
- 女性での男性型脱毛症
男性ホルモンの一つテストステロンが血中内を流れて毛乳頭細胞に入ると酵素(5α・リダクターゼ)によりジヒドロテストステロン(DHT)に変わります。これが細胞内の男性ホルモンレセプター(受容体)と結びつき核内の標的遺伝子と結合すればタンパク質誘導で脱毛の原因となる作用を起こします。
男性の場合若年層から症状は出始めますが、女性の場合中高年齢層から発症し、おもに頭頂部の脱毛が見られ生え際は保たれるケースが多い。 - 慢性休止期脱毛症
女性での男性型脱毛症についで多い脱毛症です。ヘアサイクルでの休止期毛は10%ほどですが、これが20%ぐらいに増加する症状で、おもに30代から発症する女性特有の脱毛症です。
症状として太く長い毛が硬毛の抜け毛が目立つようになります、そして頭部全体から脱毛するパターンが多くいまのところ原因は不明ですがすべての髪の毛が抜けることはありません。 - 女性ホルモン分泌異常での脱毛
脳下垂体から分泌されるホルモンが分泌異常をお越しホルモンの分泌が低下されると体全体の毛が抜けていきます。全体的に髪の毛においては薄くなり「びまん性脱毛」となります。
女性の場合出産後二・三ヶ月で脱毛するケースがある場合、出産でのホルモンの分泌量が減ったため脱毛が起こるなどとした脱毛症です。
一過性の脱毛であるので、半年ほどで元の通りの髪の毛に戻ります。また避妊薬のピルなどを服用している女性では、服用をやめてから症状が出始めるケースも有ります。 - ダイエットによる脱毛
過激なダイエットは言うにおよばず体に負担を与えてダメージが残りますが、これをクラッシュ・ダイエットと言います。この影響で脱毛も起こり「慢性びまん性脱毛症」を発症する女性のかたもいます。
髪の毛を作る細胞は非常に活発に分裂を繰り返していますので、あらゆる栄養素が必要になっています。
栄養不足や偏った栄養で発症しやすくなるのは容易に考えられる病状です。 - 鉄欠乏性貧血での脱毛
比較的若い女性に多く見られる症状で、鉄分が不足し始めると髪の毛の「つや」が失われて、髪の毛の休止期脱毛に陥ります。 - 膠原病に伴う脱毛
若い女性に多い、膠原(こうげん)病(SLE=全身性エリテマトーデス)での脱毛はかなりの高確率で発症します。
通常は7発病した女性の70%ほどの患者さんに脱毛が症状が伴い、多くは「びまん性脱毛」となり髪の毛は細く、乾燥したもろい髪の毛になります。
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