脱毛や薄毛を伴う病気とは
脱毛において代表的な症状とは男性型脱毛症・円形脱毛症やフケ症での脱毛及び薬の副作用での脱毛などが揚げられますが、その他にも幾つかの脱毛症があります。
ホルモンの分泌異常や精神疾患、代謝異常や栄養異常、感染症など、さまざまな病気、疾患の症状の中には、その疾患にかかることにより、髪の毛がまとめて抜け落ちてしまい、薄毛や脱毛症が発生する場合があります。
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原因となる疾患を治癒することが脱毛症治療へ
体内のホルモンの分泌の異常や甲状腺ホルモンの異常は、脱毛へつながります。
体内のホルモンは成長や生命維持のため、体内の器官に信号を送り、機能調節をします。
甲状腺ホルモンは代謝のコントロールをするとともに髪の毛の成長も掌っています。この甲状腺ホルモンが分泌低下するとヘアサイクルの休止期に入る毛が増え、脱毛へつながります。
しかし、甲状腺ホルモンの分泌過多もまたバセドウ病(甲状腺機能亢進症)の発症につながり、この疾患も脱毛の症状をもっています。また、甲状腺のそばの副甲状腺の機能低下も、髪の毛がまとめて抜けてしまうなどの症状をもたらしてしまいます。
精神疾患の場合は、ストレスや他の精神疾患により自ら自分の髪の毛を抜いてしまう「抜毛症」があります。これは、ストレスや精神疾患により自己のコントロールがきかず、髪の毛を引っ張って抜いてしまう症状です。
また代謝の異常でミネラル分の不足があったり、無理なダイエットなどで栄養失調になった場合も毛が抜け落ち、脱毛症となります。
このようにいろいろ疾患で、脱毛症を伴いますが、どのような症状であっても、脱毛が疾患にかかったことが原因である場合は、そのもととなる症状を治療し、改善することが脱毛症の治療につながります。これは、ウイルスや最近などによる感染症の場合でも同様です。
甲状腺ホルモンの異常による脱毛とは
人の首の付根にある2つの小さな臓器「甲状腺」には人のホルモンの分泌を制御して、全身の臓器や代謝をコントロールしている重要な臓器なのですが、この甲状腺ホルモンも人の髪の毛の成長を促す働きも持っているのです。
- 甲状腺機能低下症による脱毛
甲状腺ホルモンの分泌が低下するとすべての人には当てはまりませんがヘアサイクルでの中で休止期に入る毛包が増えて髪の毛が抜け落ちることがあります。
髪の毛のツヤが無くなり細くなり始めて髪の毛の質にも影響するのですが、甲状腺機能低下症(橋本病)の病状の一つです。
但し、すべての人に当てはまるのではなく「寒さに弱くなた、顔や手がムクむ、皮膚が乾燥しやすくなる、疲れやすい、太りやくなった、忘れやすくなり意欲がわかない」などの甲状腺機能低下症の病状の一つに脱毛も含まれますので、ここの患者さんの感受性によって症状が異なります。
もし、当てはまるのなら病院で「血液検査(TSH)」という検査をすれば病名がハッキリ致します。通常の定期検査による血液検査ではわかりませんのでご注意ください。甲状腺ホルモンでの機能低下症による脱毛であれば「甲状腺ホルモンを補充」すれば改善されます。しかし脱毛が機能低下症によるものではない場合は効果がありません。
甲状腺機能低下症は男性より女性のほうが発症しやすく、更年期障害などの病状とよく似ていますので自己判断せずに専門医への相談をすれば簡単に判断してくれます。
- 甲状腺機能亢進症による脱毛
甲状腺ホルモン機能低下症とは真逆にある疾患での脱毛ですが、甲状腺から甲状腺ホルモンが過剰に分泌され甲状腺機能亢進(こうしん)症(バセドウ病)を発症すると瀰漫(びまん)型の脱毛になる場合があります。
また甲状腺の近くにある副甲状腺の機能低下も、髪の毛が束になって抜け落ちる脱毛症を引き起こします。
甲状腺機能亢進症の症状として「発汗が異常に増える、暑がり、手の震え、動悸、食欲増加、体重減少」などがあげられその中に脱毛も含まれますのですべての人に脱毛が起こるわけではありません。甲状腺機能低下症と同じく専門医に相談して血液検査(TSH)をうけて検査結果から医師の判断に任せてください。甲状腺機能亢進症(バセドウ病)であれば適切な治療を始められます。
甲状腺ホルモンによる様々な脱毛は一口では言い表せなく、原因はおおもとの「自己免疫疾患」によりホルモン等が自己の細胞や組織に過剰に反応する工程で起こりうるものや、[薬の副作用などで脱毛]が起こるものなど、その他にストレスもあるが科学的な根拠はいまだ出ていない。
自己免疫疾患がどのように起こるのか、いまだ解明できていない疾患での対応は対処療法が一般的で専門医への受診は必須ではないでしょうか。
精神疾患による脱毛とは
この場合の脱毛とは病気による脱毛で髪の毛が抜けるのではなくて、自らが髪の毛を抜いてしまう脱毛です。
人が周り環境に適応できずにストレスなどが原因として誘引されて自身の感情コントロールができなくなり、自ら「髪の毛を抜く」精神的な病気で抜毛(ばつもう)症といいます。
一般には人格形成途上の若年層である小中学生に多く見られる症状ですが、近年オトナでも精神障害の一つとして「統合失調症」や「うつ病」にも同様な症状を持った患者さんも増えていると報告されています。
その他、脱毛症を伴う病気とは
脱毛や薄毛を伴う病気として代表的なものを記してきましたが、補足での「脱毛症を伴う病気」です。
脱毛を伴う病気での脱毛や薄毛では原因となる病気を治療することで、病状が緩和され完治すれば脱毛や薄毛も元通りになります。ですから病状を突き止めて治療すれば脱毛の原因も併用して治療でき改善されていくのです。
- 代謝障害・栄養障害による脱毛
急激に体重を落としてのダイエットなどで、人としての必要不可欠な栄養素の摂取ができなくなり、栄養障害が起こった場合。または何らかの原因で「亜鉛」や「鉄分」が不足する代謝障害などで脱毛や薄毛になるケースが有ります。
- 感染症による脱毛
ウイルスや細菌感染症において脱毛症を起こすケースが有ります。代表的なものには「梅毒」「ハンセン病」等が挙げられます。
- 喫煙も脱毛症に関係がある?
タバコの喫煙も、薄毛や脱毛症に関係があるのではないかという説もよく聞かれます。これは、タバコを喫うことにより、タバコがもつ作用により、体内の血管が収縮してしまうため、、血流が悪くなることが原因ではないかと言われています。
疫学的な調査をしてみたところ、結果が「関連がある」と「関連がない」という2分されてしまいました。現時点では、喫煙行為と薄毛、脱毛症との因果関係については、明確な結論が出ていないというのが実情です。
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